この秋のトレンドは、チェック柄。スカート、パンツ、シャツなど、さまざまなアイテムが登場している。そしてチェックと言えば何を置いても、タータンだ。
タータンを極めたかったら9月15日から神戸ファッション美術館(神戸市東灘区)で開催中の「スコットランドからの贈りもの タータン展」がお勧めだ。ドレスや布地、関連する美術作品、書籍など約250点の展示によって、タータンの全てが解き明かされる。
展示構成は、第1章「タータンとは」=タータンの製造工程などを解説/第2章「タータンの受難と復興」=9世紀の風刺画家ジョン・ケイの作品などから歴史を繙く/第3章「タータンの種類」=門外不出とされる王室専用ほか、目的や用途によって分類しタータン各種を紹介/第4章「多様化するタータン」 伝統を守りつつ新しい試みに挑戦する現代作品などを紹介/第5章「タータンと日本」=日本人とタータンの関わりを探る
靴好き必見は、第5章。日本の靴デザイナーの草分け、故高田喜佐さんの作品が含まれているのだ。アッパー全体、あるいは部分、またバルカナイズ製法のスポーツ、マニッシュ、またパンプスと、タータンの魅力を活かしさまざまにデザインしている。
高田さんは、40年余りに渡る靴デザイナーとしてのキャリアの中で製品化した靴を自らアーカイブしていた。亡くなった後、弟の高田邦雄さんが整理し1000点を超える作品を、神戸ファッション美術館に寄贈したが、本展で展示されるのは、その中から選りすぐった作品だ。
実用的なデザインが主流を占めている昨今、高田喜佐さんのわくわく、ドキドキするデザインを、タータンの魅力と一緒に楽しんで欲しい。
会期は、11月11日まで。記念講演、ギャラリートークなども行われる。
また神戸終了後は、2020年まで三鷹市美術ギャラリー、久留米市美術館など全国5都市を巡回する。
【開催概要】 会 期 2018年9月15日〜11月11日 開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで) 休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は翌火曜日) 入 館 料 一 般:1,000円 (800円) 大学生・65歳以上:500円 (400円) 高校生以下:無料 ※括弧内は団体料金 主 催 神戸ファッション美術館、神戸新聞社 後 援 ブリティッシュ・カウンシル、スコットランド国際開発庁、日本スコットランド協会他
巡回会場 三鷹市美術ギャラリー(東京)12月8日〜2019年2月17日 岩手県立美術館(岩手)2019年4月13日〜5月26日 久留米市美術館(福岡)2019年9月21日〜11月4日 新潟県立万代島美術館(新潟)2019年12月14日〜2020年3月1日
【画像上】右からアフタヌーン・ドレス1865年頃(神戸ファッション美術館蔵)/ヴィヴィアン・ウエストウッド1993年(神戸ファッション美術館蔵)/ハウイー・ニコルスビー2018年
【画像下】高田喜佐(神戸ファッション美術館蔵・高田邦雄氏寄贈)