追悼 ファッション&靴デザイナー高原 啓 ーーロックの反骨精神を貫き創造し、生きた。

「ロエン」で知られるファッション・デザイナーの高原啓さんが2021年9月21日、亡くなった。享年51歳。病に果敢に挑んだ最期の顔は、安らぎを湛えていた。

高原さんのデザイナーとしてのスタートは、アバハウスインターナショナルの靴ブランド「アルフレッド・バニスター」。黒のブーツから始まったデザインは、徐々に本領発揮。常識破りの発想を履きたい靴にまとめてみせた。

その発想、アイデアの源は、ロック。ロック・ミュージシャンになりたかったという彼は、ファッションショーのステージにロックバンドを上げ、炸裂するサウンドの中でショーを行ったこともあったが、ロックはそうしたことを超えた存在だった。高原自身が「(自分にとって)ロックは、生き様そのもの。さらに言うなら、強いものへの反発。僕の世界観の根っ子にあるのは、ロックが象徴する反骨精神です」と語っている。
1990年代後半から10年余り、靴のカルチャーマガジンを歌う「シューフィル」という雑誌が発行されていた。その雑誌で、高原さんを数回、インタビューしている。彼が「ロエン」を立ち上げた1年後のインタビューを、ここに紹介する。
東京コレクションに名を連ねた唯一の靴デザイナーでもあった高原啓のデザインへの思い、そして生き様を多くの人の記憶に留め、次代の靴デザイナーに繋ぐために。合掌。

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