産業の継承・発展は、人材育成から。エスペランサ靴学院が大阪で開校。新学院長は大山一哲氏。

5月、大阪に新しい靴学校が立ち上がる。新生エスペランサ靴学院だ。
エスペランサ靴学院は、靴資材販売及び靴小売店チェーン「銀座エスペランサ」を展開する神戸レザークロス創業者、斉藤章太郎氏が1973年、私財を投じて設立した靴の専門学校。以来、長年に渡り業界に人材を送り出して来たが、2019年5月、神戸レザークロスが買収によってアパレル大手のワールドの傘下に。これによって学院もワールドの経営となったが、生徒数の減少などで閉校を決定。それに伴い、浅草を中心とした業界団体に引き継ぎを打診したが、芳しい答えは得られなかった。

そこに名乗りを上げたのが、同学院の卒業生であり、大阪で靴卸ロカシューを営む、大山一哲氏。
「自分を育ててくれた学校がなくなってしまうのは、忍びない。加えて靴産業のこれからは厳しい状況にあると思うが、だからこそ、人材が不可欠。人なくしては、産業の継承、そして発展はあり得ません。しかし、自分一人で学校を運営することはできない。そこで以前に靴講座を開設、自分も講師を務めたことのある大阪府の職業訓練機関に相談したところ、協力を得ることができた。それで即決しました」(大山一哲氏)

学院長には、大山一哲氏が就任。ワールドとの間で「エスペランサ靴学院」の商標使用契約を交わしている。
協力は、大阪府職業訓練センターである「A’(エーダッシュ)ワーク創造館」。教室を提供する他、学務も担当する。

カリキュラムは、技能については、旧エスペランサ靴学院のものをベースに改編するが、ビジネス課程を新設したのが大きな特徴だ。
「靴で身を立てようとすると、これからは独立・自営というケースが増えると思うが、作れるだけでは難しい。販路開拓、ブランディング、またSNSの活用など、ビジネスに関わる広範な知識が必要となる。そこでビジネス課程を新設。実業で実績のあるユニークな講師陣を揃えた」(大山学院長)。

カリキュラム他の概要は、以下の通り。
【授業期間】2020年5月12日〜2021年3月19日(2020年度)
【カリキュラム】〈技能〉135日:製靴(パンプス・内羽根・外羽根・ブーツ・サンダル等)/靴型(足計測・木型切削など)/型紙(外羽根・内羽根等)/手製製法(マッケイ・ハンドソーン等)/トレーニング
〈ビジネス〉80日:商品企画/販路開拓/ブランディング/起業・経営・金融/シューフィッティング/リペア等
〈その他〉5日:製靴工場・タンナー・資財業者見学等
【授業料他】授業料100万円/入学金30万円(工具・材料費等)/シューフィッター資格受験料10万円
3月17日から募集を始めており、締切は4月15日。定員は、15名。
応募必要書類は、履歴書、及び作文「志望理由について」(2000字以内)
提出先は、下記。
【応募書類提出先】〒556−0027大阪府大阪市浪速区木津川2−3−8 A’ワーク創造館
【問い合わせ】A’ワーク創造館 TEL06−6562−0410 担当:梅山/高見
e-mail:2020osaka@shoeschool.jp/ office@adash.or.jp

エスペランサ靴学院
エスペランサ靴学院は1973年に日本で初めて設立された靴づくりの学校です。2021年より大阪移転。現場の第一線で活躍するプロから、製靴についての専門技術・知識や靴ビジネスなどを学びます。
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