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Posted on 2013/6/28
−−青山・直営店効果でカテゴリーの広がりも後押し
地下鉄の中で目に入った素敵にストールを巻いた女の子、全体の着こなしが見たくて、人混みを縫いながら視線を徐々に下に下ろして行ったら、靴はドクターマーチン。降りた駅の人混みの中に、マーチンのショッピングバッグを発見。ドクターマーチンが売れている。
ドクターマーチン・エアウエアジャパンの売上げは現状、昨対110〜115%推移。年間売上高は、2011年度9億9300万円に対し2012年度は11億7200億円。前年比118%で、10億円超えを達成した。
「定番モデルの8ホール、特に短靴の3ホールが好調。同時にウイングチップなど、ストリート系ファッションとは違う用途をイメージさせるモデルも売れるようになっており、カテゴリーが広がっている」(菊地徹社長)
要因として考えられるのは、ファッション・トレンドだ。
この春夏、そして秋冬のトレンドとしても。グランジが注目されている。グランジとは、1990年代にグランジ・ロックから生まれた着古したネルシャツや破れたジーンズを特徴としたファッションだが、大本はパンクになり、パンクと言えば、ドクターマーチンだ。
またレディス・ファッションでは、数年前からマニッシュに注目が集まっているが、これがロック系の注目と結び付き、マニッシュさが強調されたものにという流れも見られる。「特に3ホール」、つまり短靴が好調というところに、こんな背景が見え隠れする。
カテゴリーの広がりは、昨年9月に青山にオープンした初の直営店効果と思われる。
直営店はウエア、バッグなどを含めたトータル展開が特徴だが、日本市場では扱いの少ないライフスタイル型ラインも紹介している。ドクターマーチンは、英国本国においてはクラークスなどと並ぶライフスタイルシューズとしても広く受け入れられており、ファッションだけではない、ドクターマーチンの魅力を紹介するためだ。
これが、エアクッション・ソールの機能性を持ったコンフォートシューズ、あるいはビジネスシューズとしての提案可能な商品としての注目を喚起していると思われる。
梅田大丸紳士靴売場で5月下旬に期間限定ショップを展開したが、機能性を含めたドクターマーチンのトータルな魅力を提案。短靴のバリエーションを豊富にラインナップし、スニーカーシリーズの売れ行きが好調だった。
直営店のコンセプトは、従来から展開しているFC(フランチャイズ)店への導入も順次進めており、札幌店は8坪から20坪に増床リニューアルし、リニューアル後の売上げは前年比190%。また昨年は神戸・元町と熊本に進新店をオープン。現在、ショップは直営店を含め27店舗。今年度はFC2店舗、直営1店舗の出店を計画している。
「直営店は、新宿地区を狙っている。これが実現したら、次のステップとして関西地区への出店を考えたい」(菊地社長)。
こうした展開が進むと、百貨店内のインショップやコーナーの可能性も出て来そうだ。