shoes
Posted on 2013/9/22
アギネス独自の解釈で、キュートなモッズ!
ドクターマーチンとイギリスのファッション・アイコン、アギネス・ディーンとのコラボレーション・ライン「AGYNESS DEYN FOR DR.MARTENS」の2013年秋冬コレクションのテーマは、モッズ・ルック。
説明するまでもないが、モッズは1960年代にロンドンから発祥した若者風俗。タートルネックのセーターに細身のパンツ、靴はチェルシー・ブーツ。デビュー当時のビートルズは、まさにモッズのスターであり、60年代にファッションとしての地位を確立したドクターマーチンにとっても、繋がりの深いムーブメントだ。
アギネスは、そのモッズに彼女自身の解釈と現代的アレンジを加え、キュートなアギネスのモッズを創り上げた。
タートルネックは、リブのチューブ・ツィンセットに、日本ではスィングトップとして知られるハリントンジャケットは、イギリスの伝統柄でアレンジ。またティーポットを大きくプリントしたTシャツ、英国のテイラーが好みそうなカラーを付けたTシャツ・ドレスも。
靴は、敢えてアーミーブーツをチョイス。素材は、型押しスエードとスムースのコンビだが、型押しされているのは、千鳥格子やヘリンボーンの意匠。幾何学柄風に見えて、ユニークだ。その他、白の大胆なモカ・ステッチが生きる白/黒コンビのブラッチャー(外羽根)、またTストラップのメリージェーンも、ドクターマーチン的スタイルにアレンジしフィーチャーしている。
「今シーズンは、皆でいる時は物静か、けど一旦、彼女のお部屋をのぞいてみると壁一面にヤードバーズやスミス、 ザ・フーのポスターが貼られている。そんな女の子をイメージしました」。
アギネスからのメッセージだ。
9月22日から全国のドクターマーチン・ストアで発売される。
マヤの伝統工芸素材ウーブンのワラチで、子ども達にきれいな飲料水を。
8月にラスベガスで行われたレディス・ファッション&アクセサリーのトレードショー「ENK Vegas」で見付けたブランドを紹介しよう。
今夏、ワラチ・サンダルはちょっとした注目アイテムだったと思うが、そのワラチが民族っぽいテイストのきれいな色合いのヌメ革で編まれている。
ブランド名は「IX」。「アイ・エクス(eye ex」と読む。
そしてブースには「Water for Children」、また「Guatemala」の文字…???
こんなストーリーがあった。
「IX」の創設者は、フランチェスカ・ケネディさん。彼女のファミリーは、中米・グアテマラの出身。それで常々、貧困、多発する犯罪・暴力、そして教育の遅れに苦しめられているグアテマラの現状に心を痛めていた。
ある時、グアテマラに住む祖父を訪ねたケネディさんは、観光地であるアティトラン湖を行った。世界で最も美しい湖として知られているが、目にした現実はほど遠く、湖水は汚染され濁っていた。さらに驚いたのは、その湖水を多くの周辺住民は飲料水としており、水汲みは子ども達の仕事であり、幼い子たちが、その汚染された水を飲んでいることだった。
折しも彼女は、貧しくて靴を履けない世界中の子ども達に靴を贈るプロジェクトTOMSの創設者、ブレイク・マイコスキー氏の著書「START SOMETHING THAT MATTERS」を読んでいた。
ケネディさんは、決めた。靴でグアテマラの子ども達にきれいな水を飲ませてあげようと。
そしてグアテマラ国民の半数を住めるマヤの人たちの伝統的織物や革工芸を使ってワラチ・スタイルのサンダルを作った。
それが「IX」。そして「IX」で得た利益の15%が、世界中にきれいな飲料水を提供する活動を展開している団体「charitywater.org」に寄付される。
ワラチ、そしてウーブン、つまりメッシュは、来春夏に繋がるトレンドだ。
日本で「IX」の販売はないと言う。
あなたが日本で、Start somethhing that matters!
展示ブースには子どもサイズもあったが、販売はレディスが中心。米国での小売価格は、レディスで89ドルだ。
創設者のフランチェスカ・ケネディさん
ベルギーの新星が創った「カンペール」は、
カジュアルでモダン、そしてエレガント。
カンペール松屋銀座店が9月10日、トゥギャザー・ショップに生まれ変わったが、2013年秋冬、靴のトゥギャザーにも新しいキャラクターが登場している。
「トゥギャザー」は、コラボレーション・コンセプトのことだが、Obring的一押しは「TOGETHER WITH CAPARA」だ。
「CAPARA(カパラ)」は、サラエボ生まれのベラとオリベラのカパラ姉妹によるベルギーのブランド。二人ともアントワープの王立アカデミーでファッションを学び、卒業後は共にドリス・ヴァン・ノッテンのアシスタント・デザイナーを務めた。
二人のブランド「CAPARA」を立ち上げたのは、2009年。彼女達固有の視覚表現によって独自のフェミニン・ワールドを創り上げている。
カンペールと手を組んで創った靴は、スポーティでカジュアルでモダン、そしてエレガントだ。ラストは、ポインテッド、アッパー・デザインは、Tストラップと鬼ぐり風の載せモカ、そして底周りのデザインにアイデアが凝らされている。フラットソールなのだが、トウとカウンターをモールドのキャップが被っている。これがモダンな印象を与える。
これまでのバレリーナの感覚で履けるが、パンツに合わせても、スカートでも、着こなしに全く違うニュアンスを与えてくれるはずだ。
この他、今秋冬の「カンペール」は、「ミントデザインズ」によるブーツやルームシューズ、また高品質で知られるデンマークのテキスタイル・ブランド「KVADRAT」とのツィードを使用した「ペロータス」など、“TOGETHER”の話題が豊富だ。
カパラ姉妹
©Mike_Steegmans.
ハイブランドでキャリアを積んだオリヴィア・コニエによる新進ブランド
パリの新進靴ブランドを紹介しよう。昨年、デビューした「APOLOGIE(アポロジー)」だ。
デザイナーは、オリヴィア・コニエ。「カルバン」「ソニア・リキエル」「ティエリー・ミュグレー」など、ハイファッション・ブランドの靴デザインでキャリアを積み、自身のブランドの立ち上げに至った。
しかし「APOLOGIE」は、無闇にハイファッションを追おうとはしていない。ファッションをベースにしたデザインのアート性をたいせつにしつつ、買い易い価格を実現。流通に乗らなければ、女
性達に選ばれる靴になり得ないことをしっているのだ。
そして靴は、職人と技術に支えられてこそ成立することわきまえている。製造は、ハイファッション・ブランドのデザインで繋がりが出来た、ミラノ近郊の高級靴産地の工場だ。
アート性、品質を支える技術、それに実際性が伴うのが、オリヴィア・コニエの「APOLOGIE」だ。
2014年春夏コレクションを既に日本でもお披露目したが、ハーヒール、ローヒール共にセパレーツ・デザイン、厚いスポンジソールのローファー、オープンデザインでエレガントさを出したマニッシュ、またリゾート感覚のベタ・サンダルが目に付く。また、今春夏から続くトレンドである、色への注目も特徴だ。
9月27〜30日、パリで開催のプルミエール・クラスに出展する。
日本ショールームanemone=東京都渋谷区代々木 5-11-10 1F TEL03-3481-5776
http://www.apologie-paris.com/
価値あり!ハンドソーンウェルトのユーティリティシューズ。
トレンドがアメリカンにシフトしているせいか、「オールデン」への注目が高まってきているようだ。日本で手に入れたいなら、青山のラコタハウス。日本輸入総代理店、(株)ラコタの直営店だ。
で、紹介したいのは、ラコタのPB「PEGMAN(ペグマン)」だ。
評価に値するのは、靴が醸し出す雰囲気だ。何かを主張するデザインが施されている訳ではないが、存在感と趣きがある。それはラストから来ている。
この6月にリリースされたローファーは、トウは厚みのあるラウンド型。ポストマン的な雰囲気もあるが、ポストマンよりも鼻が伸びている。そしてローファーはスリップオン故に足のホールドが問題になるが、甲と踵でしっかり押さえるように設計されている。
「オールデン」は整形靴を手掛けていたことから独自のラスト設計による履き心地の良さで知られる。それを長年、扱って来たことによって蓄積されたノウハウが、ベースにあるに違いない。
そもそもブランド名の「Peg」は、18〜19世紀、つまり靴が手製だった時代に用いられた木製の釘に由来している。「PEGMAN」は、ハンドソーンウェルトなのだ。それも中国で製造しているというから驚き。中国の手製職人は、こんなテイストを表現できるのだ。
しかしハンドソーンだからと言って、高級靴を狙っているのではない。コンセプトは、ユーティリティシューズ。日常に用いて有益な靴を狙っているのだ。革底もあるが、このローファーは、ラバーソール。ユーティリティシューズとしての活躍場面を広げている。
小売価格は、39,900円。お値打ちだ。アッパー素材は、カーフ、グレインレザー、スエードの3種。
http://www.lakota.co.jp/