「KISSA」シューズと一緒に
「タータン展」が、東京にやって来た!
――三鷹市美術ギャラリーで2019年2月17日まで
神戸ファッション美術館で行われたタータン展が、東京にやって来た。JR中央線三鷹駅前の三鷹市美術ギャラリーで開催中だ。
タータンは、一般的には“タータン・チェック”と言われていると思うが、その通り、チェックの代表。知らない人はいないだろう。
だが、実際に展覧会を見ると、なるほど、ふむふむの連続だ。
まず、タータンの定義。
・2色以上の色を使い、それらの糸が交わる格子柄であること
それは、そうだ。格子柄でなければタータンじゃない。
・たて糸とよこ糸につかう糸の色と数が同じで、基本パターンが繰り返される。原則としては上下左右対称模様
縦糸、横糸が同色、しかも同数なんだ!それは知らなければ気付けない。
次に歴史。
タータンの故郷はスコットランドであることは、知っている方は多いと思うが、興味深いのが、歴史に関わるジャコバイト・タータンだ。
ジェコバイトとは、名誉革命(1688〜1689年)によってフランスに亡命していたジェームス2世を帰国させ、イングランド・スコットランド王に即位させようと反乱を起こした一派のこと。「ジェームス=James」は、ラテン語の「ヤコブ」に由来することから、その一派は「ジャコバイト」と呼ばれ、スコットランド伝統のタータンを身に付けていた。
このタータンが、ジャコバイト・タータンだ。
つまりタータンは、反抗、反逆の象徴だった訳だが、現代においてパンクなどのロック・バンドが好んで身に付けるのは、ここにルーツがあったのかと納得する。
こんな具合に蘊蓄を深めさせてくれる。
そして目を楽しませてくれるのは、ファッションとしてのタータンだ。
となれば、靴。
リーガルとミハマ(横浜)が各1点。いずれもシューレース、またパンプスのリボン飾りと小さな面積での使用だが、全体の存在感を増すのに大きく貢献している。
一人のデザイナーとして圧倒的な展示点数なのが、高田喜佐さん。片足ながら、21点も展示されている。
さまざまな色合いのタータンを、靴全面、革とのコンビネーション、またバイヤス使いなどで、パンプス、マニッシュ、スポーツ、ブーツと、靴種を限定することなく縦横にデザインしている。デザイナーとしての力量とタータンという素材が持つ多様性を感じずにはいられない。
会期は、2月17日まで。
三鷹市美術ギャラリーは、JR東日本中央線三鷹駅南口ペデストリアンデッキを直進。「コラル(CORAL)というビルの5階だ。
http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/
画像:上から 三鷹市美術ギャラリー「タータン展」導入部 高田喜佐・シューズ 神戸ファッション美術館蔵(高田邦雄氏寄贈)