Fashion&Culture

Posted on 2014/4/9

パリの靴デザイナー&作り手、永島珠野が東京、大阪で期間限定ショップ
−−手仕事が生きるエスパドリーユ・コレクションを展示販売

 パッサージュ・モリエール、パリ・ポンピドーセンター近くの小さな通り抜け。ここにアトリエ&ショップ「tamano paris」を構える、永島珠野さんが、4月下旬から5月にかけて、東京と大阪で期間限定ショップを行う。
 永島さんは、パリで靴づくりを始めて10年余り、アトリエ&ショップも、8年近くになる。靴づくりは、パリの伝説の靴職人、モーリス・アルヌーに学び、セミ・オーダーで、こつこつと作っている。
 そう書くとウエルト製法が云々といったことをイメージするかもしれないが、少し違う。
 そもそも永島珠野が本格的に靴を仕事にするきっかけは、友達に誘われて出展した展示会。そこで思わぬ数のオーダーが付いてしまった。その時点で、既にモーリスに師事し、自分で靴を作ることはできたが、彼女は工場に製造を委託しようと奔走したが、工場で作るという環境が、パリには既になかった。やむなく自分で作り、オーダーを完納。“自分でつくる”が、永島珠野のスタイルになった。
 だが、永島珠野の靴の魅力は、手仕事だ。
 それをもっとも表しているのが、パスマントリーの靴だ。
 パスマントリーは、フランスの組み紐、飾り紐。カーテン留めや椅子など主にインテリアに使われるが、この紐を靴のアッパーに使うことを思い付く。色を選び、どんな編み方にするかを考え、自分で編み、靴に仕上げる。自分の手で靴をつくるだけでなく、この洗練された手仕事が、他のどの靴、ブランドにもない永島珠野の仕事「tamano paris」の魅力だ。
 そしてパスマントリーの次に彼女が選んだ手仕事の舞台がエスパドリーユだ。
 このインスピレーションをもたらしたのは、アフリカン・プリントの生地。その魅力、美しさがいちばん生きるのは、エスパドリーユだと、生地を裁ち、ちくちくと手で縫って、アッパー部分をつくり、エスパ発祥の地であるバスクの職人のところに持ち込み、エスパドリーユに仕上げた。
 取り組んで3年余り。使用する生地はアフリカンプリントだけでなくヴィンテージ・クロスなど、デザインもストラップ付きやウエッジ・タイプ、またサイズは子供からメンズまで、さらにバッグなどの小物と、コレクションとしてまとまった。パリの展示会に出展し、ロン・ハーマンなどの著名なセレクトショップや百貨店で取り扱われるようになっている。
 期間限定ショップは、このエスパドリーユを中心としたもの。取扱店にはないモデルにも購入できる。皮切りは、4月18日〜20日の東京・原宿のギャラリー・ファンナーン。5月の連休中には、大阪の阪急うめだ本店でも行うが、詳細は、下記の通り。
 この機会に永島珠野の手仕事の魅力に触れて欲しい。

■永島珠野「tamano paris」期間限定ショップ
・4月18〜20日
 東京・原宿 ギャラリー&スペース・ファンナーン=東京都渋谷区神宮前4-14-2 1F
http://www.fannane.jp/wp/gallery/
時間は、18日12:00〜20:00、19日=11:00〜20:00、20日=11:00〜19:00
4月25〜27日  gallery&shop山小屋=東京都渋谷区恵比寿1-7-6陸中ビル1F
http://galleryyamagoya.blogspot.jp/
 時間は、25日=12:00〜20:00、26・27日=12:00〜19:00
・5月3・4日
 大阪・梅田 阪急うめだ本店3階婦人靴売場「夏のシューズフェア」


期間限定ショップで披露される新コレクション(パッサージュ・モリエール「tamano paris」にて)


KISSAの靴が帰って来た!「高田喜佐 ザ・シューズ展」再び。
−−女子美アートミュージアムで6月8日まで開催

 日本の靴デザイナーの草分けであり、第一人者であり続けた故高田喜佐さんの作品展「高田喜佐 ザ・シューズ展」が、神奈川・相模原の女子美アートミュージアムで、6月8日までの会期で、6日に始まった。
 高田喜佐さんは、2006年2月に他界されたが、その64年の生涯で創った靴を自らアーカイブし、1500点を超える作品を遺し、弟の高田邦雄さんによって整理され、神戸ファッション美術館に寄贈された。
 昨年4月、寄贈を記念し「高田喜佐 ザ・シューズ展」が開催されたが、今回の展覧会は、その再現。展示構成も、そのままだ。
 WONDER LANDー素足に翼を=「靴はファンタジー」と言い続けた高田喜佐の創造力と想像性豊かな靴たち
 FUN TO DECKーズックは楽しい=靴デザイナーでありながら素足を愛した高田喜佐の面目躍如たる、楽しいズック靴の数々
 キサ・コーナー=生前に愛用した着物や下駄など、高田喜佐のクリエイションの源がうかがい知れる品々
 5月17日には、レディ・ガガの靴で知られる舘鼻則孝さんとキサの継承者である高田邦雄さんの対談形式のトークイベントも開催される。
 神戸展では、展覧会で靴デザイナー高田喜佐を初めて知り、“こんな楽しい靴があったなんて!”と、KISSAのファンになった人も多かったと聞く。
 神戸展に行けなかった人は必ず、そしてワクワク、ドキドキさせてくれる靴を見たい人は是非、足を運んで欲しい。
 そして、高田喜佐の靴を履きたくなったら「キサ・スポーツ」を。この春に復活、今、期間限定ショップも立ち上げっている。

http://obring.jp/?p=3214


●高田喜佐 ザ・シューズ展
女子美アートミュージアム=神奈川県相模原市麻溝台1900 女子美術大学相模原キャンパス
会期:2014年4月6日(日)〜6月8日(日)
開館時間:10:00〜17:00(入館16:30まで)
入館料:一般500円(学生、未就学児、65再以上、障がい者手帳をお持ちの方は無料)
休館日:火曜日(祝日の場合は翌水曜日)

●トークイベント「THE SHOES」舘鼻則孝×高田邦雄
日時:5月17日(土)13:30〜15:00
参加費:無料(入館料は必要)
定員:200名(申込先着順)
申込方法:女子美アートミュージアムまで①イベント名②氏名③住所④連絡先電話番号⑤参加人数を、eメール、電話、FAXで。

交通アクセス、電話他、連絡先詳細は、下記ページで。

http://www.joshibi.net/jam/14shoes/

「高田喜佐 ザ・シューズ展」案愛

案内に掲載の展示作品



赤摩千穂個展「在る。」が、喚起するもの
−−新宿高島屋美術画廊で4月21日まで開催

 赤摩千穂さんは、靴によってアートを表現する、まさしく靴アーティストだ。
 2006年の初めての個展は、題して「靴・昆虫採集」。バッタ、コオロギ、カブト虫、クモ、蜂、蝶々…、みんな靴になっていた。ワクワク、ドキドキさせられた。次の本格的個展は、2010年の「クツ? くつ… それでも靴!」。昆虫の次に取り組んだスイーツ・シリーズに加え、日本画的表現法を取り入れた新作で、新境地を見せた。
 そして今春、3月の日本橋高島屋に続き、この9日から新宿高島屋10階美術画廊で、ニューヨークなどのアートフェアに出品した国内未発表作品など新作10点を含む個展に挑んでいる。
 そのタイトルは、「在る。」。
 赤摩さんは、スエードのブーツをねだり、一日に靴を何回も履き替える子供だった。高校時代は、厳しい校則の中で靴が唯一の自己表現。多摩美術大学に入学し染織を学ぶようになると、課題はすべて靴。卒業すると、迷うことなく、作品制作を第一義とする生活に入った。
 もちろん、創るのは、靴だ。しかも、単なる作品、つまり履けない靴ではない。すべて靴の機能を持っている。そのために靴づくり教室で通い、靴製作の工程を身に付けた。自分でパターンを起こし、製甲ミシンを操る。そしてアッパーに使用するテキスタイルは、自分で糸からつくり染め、そして織った完全オリジナルだ。
 しかし、なぜ靴が、赤摩千穂を捕らえて放さないのだろうか。
 ずっと以前のインタビューで、こんな趣旨のことを話してくれた。
 したり顔で作品を観ていた人が、思わず笑みを浮かべる、驚きを隠さず、面白い、楽しいを連発する。靴は生活必需品であり、日常的なもの。そういうものだからこそ、違った様相で表現された靴に触れると、イマジネーションが喚起される。
 そして今回の個展のリーフレットには、次のように書いている。
 「あたりまえのように過ごしていますが、私がこどもの頃に、こんなに毎日、多くの出来事や事件や事故が起こっていたのでしょうか? 世の中の急速な変化のひずみがそうさせたのでしょうか? それとも、単に私が大人になったということなのでしょうか?  現在(いま)、感じる、気がつく、想う、抱く……。そこに在ります。」
 社会的視点が加わり、喚起されるイマジネーションは、シンプルや感情から思索に向かう。
 「在る。」は、4月21日までの開催だ。

●赤摩千穂個展「在る。」
場所:新宿高島屋10階美術画廊
会期:2014年4月9日(水)〜21日(月)
時間:午前10時〜午後8時(但し4月11日、12日、18日、19日は午後8時30分まで、最終日は午後4時終了)


庭を愛する人々−デザインされた世界

鯉の滝のぼり−青



許されざる玩具−芥子と金魚