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Posted on 2013/11/05

ヨーロッパでヒットのスニーカー「キャンディス・クーパー」のオーナー
クリストフ・ジーゲルさん


スタイルだけではありません。
インウエッジ+取り外し可能インソール。
「キャンディス・クーパー」は、コンフォートです。

 靴のファション・トレンドは、スニーカー。2014年春夏も間違いない流れだ。
 そこで気になるスニーカー・ブランドを紹介。「キャンディス・クーパー」だ。
 ブランドの存在に気付いたのは、3年余り前のGDS。汚し加工を施したヌメ革の底回りと繊細なプリントやレーザーカットのレザー、あるいはレース素材との組み合わせが洒落ていて、モードを感じさせた。しかも商品構成は、ローカット、ハイカットのバリエーションはあるが、スタイルは、クラシック・タイプのスニーカー1モデルのみだ。
 その「キャンディス・クーパー」は今や、ヨーロッパではヒット・ブランドだ。  GDSに継続出展、またミカムにも出展しているが、この9月のGDS〈white cubes〉のブースで、オーナーのクリストフ・ジーゲルさんにインタビューの機会を得た。

−−デュッセルドルフの靴売場を訪ねたら、ファッション狙いのどの店にも、「キャンディス・クーパー」がありました。
ジーゲル 現在、ヨーロッパを中心に1500店余りの扱い店があります。しかし、その中心は靴専門店ではありません。70%がハイファッションのクロージングを扱うショップです。
−−ブランドのデビューは?
ジーゲル 2006年にベルリンで始めました。しかし現在は、ビジネスの本拠地はスイス・チューリッヒ、生産は最初からイタリア・トスカーナです。  私は、ミュンヘンの生まれですが、靴に興味を抱き大学時代から靴の販売を手掛けていました。卒業すると、フランスのシャルル・ジョルダンのエージェントとして会社を興し、フランスの多くのラグジュアリー・ブランドのために働き、その仕事を通してイタリアの靴工場と深く関わり、靴づくりのノウハウを磨きました。
 靴生産と言えば、イタリアですが、それだけではなく、経験が、自分のブランドの工場としてイタリアを選ばせました。それも、トスカーナ。革の産地でもあり、靴生産には打って付けの場所です。また、エージェント時代に付き合っていたのは従業員3000人といった大工場でしたが、今は、小さな規模の工場。理由は、ハンドメイドにこだわりたかったからです。
 「キャンディス・クーパー」は、私が靴づくり、デザイン全般をディレクションし、2人のデザイナーが具体的なデザインをしていますが、カーフの他、ラム、ゴートを手染めし、また仕上げ加工も手で行っています。
 オーダーは、このところ25〜30%の伸びを示しており、現在、1日2000足生産しています。
−−「キャンディス・クーパー」には、ワン・スタイルのみで構成されていますが…。
ジーゲル 私は元々、スニーカーが大好き。自分のブランドを作る時は、必ずスニーカーをラインナップに加えたいと考えていました。そして19世紀半ばに登場したスポーツシューズとして使用されたスタイルにインスパイアされて作ったのが、このスタイル。デビュー当初は、スニーカー以外のモデルも加えていたのですが、スニーカーに支持が集まり、絞り込まれました。
 支持された理由は、スタイルのクリエイティビティだけではありません。「キャンディス・クーパー」は、見た目はフラットソールですが、内部に1㎝の高さのカーボンファイバー製のウエッジソールが仕込んであり、また人間工学に基づいて設計されたインソールは取り外し可能。必要なら処方されたインソールに入れ替えることもできます。「キャンディス・クーパー」は、コンフォートなのです。
−−今後は?
ジーゲル 底回りの仕様・デザインはワン・スタイルを守り、新たなデザインを創り出します。バレリーナ・タイプが、その例です。そして展開アイテムを広げ、トータル・ブランド化を図ります。バッグ、ベルト、レザー・ジャケット、さらにシャツなどもラインナップします。  日本の皆さんも、スニーカーだけでなく、「キャンディス・クーパー」の世界を楽しんでください。

 日本の流通は、2014年春夏物から老舗靴専門店の(株)フタバヤ靴店(東京・銀座、岡本圭司社長)をエージェントに進められる。フタバヤ靴店は輸入靴で知られるが、卸業務への取り組みは初めてだ。