shoes

Posted on 2014/12/31

■SHOES SHOP in 2014■
1990年代、セレクトショップが台頭し、国産、インポートを問わず、ファッション、クオリティの両面で優れた靴を積極的に扱った。しかし今、こうしたショップは、PB(プライベートブランド)によるマーチャンダイジングに転換した。結果、良い靴を扱う店は少なくなってしまった…。
 こうした状況を埋め合わすのが、靴企業、あるいは靴デザイナーの直営ワンブランドショップだ。
 2015年は、こうした携帯の靴ショップが、増えるに違いない。



工房のあるMIHARAシューズ専門店

Atelier MIHARA YASUHIRO

 12月5日にオープンしたのが、「Atelier MIHARA YASUHIRO」。靴デザイナー三原康裕のシューズ専門店だ。
 ショップに入ると、まず靴のオブジェが置かれたギャラリー的スペース。足を進めると、視界を捉えるのが、ガラス越しの工房、アトリエだ。
 折しも三原さん本人が、靴の仕上げに取り掛かろうとするところ。その向かいでは、デビュー当時から三原康裕の靴づくりを支えて来た、早川嘉英さんがパターンを引いていた。  三原さん曰く「僕をパリ・コレのデザイナーだと思っている人もいて、靴デザイナーだという認知が薄くなって来ているし、何よりデザイナーと消費者の距離が遠くなっている。それを取り戻そうというのが、この店を開いた意味。実際、僕は普段から靴型を削ったり、仕上げをしている。その場を、お客さんの見えるところに持って来ました」。
 従来から行っているパーソナル・オーダーは、今後は、このショップで対応する。パーソナル・オーダーは、三原さんと早川さんが、注文者に対応し、好みを聞き、引き出し、かつ提案し、三者で創り上げていくオーダーだ。
 新たな試みとしては、月に一度くらいのペースで、靴の手入れや仕上げなどをテーマにワークショップを行う。
 この他、最新靴コレクションの販売はもちろんだが、あぶり出しなど三原康裕過去作品のアーカイブにも力を入れており、過去の代表作をソールなどを変更しセミオーダーすることもできる。
 運が良ければ、アトリエで仕事をする三原さんと遭遇。デザイナー・三原康裕が、自分と同じ地平に立っていることを体感。MIHARA YASUHIROが、“三原さん”になることだろう。
 場所は、ソスウインターナショナル本社があるビルの2階だ。
●所在地=東京都渋谷区神宮前3-30-12Gビル神宮前03 2F
http://www.miharayasuhiro.jp









ワンモデルだけのフットウエア・ショップ

iGUANEYE

 9月に東京・南青山にオープンしたのが、「iGUANEYE(イグアナアイ)」だ。
 「iGUANEYE」は、フランス人のデザイナー、オリヴィエ・タコさんが開発した、100%リサイクル可能なエラストマー製フットウエア。要するに一体成型シューズだ。ここ10数年来、こうした手法の製品からヒットブランドが出ており、その意味では決して珍しくない。
 ユニークは点を探すと、その着想。タコさんは、アメリカ大陸が発見される遙か以前、アマゾンのインディオたちが、ゴムの木から採った樹液に足を浸け、樹液の付いた足を薪の煙でいぶして固め、足を保護していたことを知り、まるで第二の皮膚のようなフットウエアを創りたいと開発を始めたというのだ。
 そして出来上がったのが「iGUANEYE」FSシリーズ。着想の原点は、足にある訳で、デザインは、足そのものをイメージ。トウ部分は、親趾と第二趾との間に仕切りがあり、甲部分は、両サイドがそぎ落とされ、草履をシューズ化したようなスタイル。この本体にオリジナルのインソールをセットし、フットウエアとして完成させている。
 色は、本体、インソール共に6色。インソールは、購入時に好きな色を選べるので、6×6=36通りの組み合わせが楽しめる。
 とは言え、展開モデルは、FSただ一つ。それでショップというのだから、大英断だ。
 そもそも「iGUANEYE」の発掘者は、エルメスインターナショナル副社長の斎藤峰明さん。そして斎藤さんの賛同したのが、シーナリージャパン(大阪・中央区)の山田勝也社長。日本輸入販売総代理店となることを決め、市場展開の第一手として、世界初の「iGUANEYE」ショップを出店した。
 また1モデルだけの靴ショップのデザインを手掛けたのは、インテリアデザイナーの水谷宗市さん。「iGUANEYE」の原点がアマゾンの原住民にあることから、「自分自身の身体が持つ原始の記憶を、コンピューターのアルゴリズムで解析することによって得た立体イメージを、そのまま空間としてデザインした」と言うが、その言葉通り、ショップというより立体性を持ったギャラリーのような空間だ。そして実は、水谷さんはかつて多くの靴ショップのデザインを手掛けたことがあるという。靴店は得てして陳列点数が多いことを望むが、「iGUANEYE」は真逆。水谷さん流の究極の靴ショップとも言える。
 さて「iGUANEYE」は夏向きの履物だが、オープンしたのは秋。それでも、そこそこの売れ行きを示していると言う。その訳は、おそらく履き心地。見た目は、歩き度に踵が抜けそうなのだが、意外や、意外、足との密着度が高い。その秘密は、オリヴィエ・タコさんのインタビューで。
●所在地=東京都港区南青山5-6-14 中嶋ビル103
公式サイト:http://www.iguaneye.jp/


小売価格¥9,000(税抜) サイズ36〜43(23㎝〜27.7㎝) 交換用にインソールのみも販売 小売価格¥2,000(税抜)
ギャラリーのような空間だが、奥に試着室も備えている。



前田洋一chausserのメンス・ショップ

Chausser le coin

 靴デザイナー前田洋一さんのショセのメンズ点がオープンしたのは、7月31日のことだ。
 場所は、恵比寿。ショセ・ファンに親しまれている直営店「plus by chausser」の交差点を挟んで対面。これを機に「plus by chausser」は、レディス専門店になった。
 メンズ店の名前は、「chausser le coin(ショセ・ル・コワン)」。「le coin」は、英語で言うなら「corner」。つまり”角のショセ”ということになる。そのまんまのネーミングだが、洒落ている。
 品揃えは、コンフォートラインの「MUKAVA(ムカヴァ)」、バルカナイズ・スニーカーの「ses amis(セザミ)」を含めたメンズの前ラインナップが揃う他、雑貨やシャツも。
 雑貨は、「OZOLA(イゾラ)」)の石鹸、靴用ブラシ、ハンカチ、フラスコ等々。
「IZOLA」は、ニューヨークの生活雑貨ブランド。実用性と本物志向が高いデザイン性によってファッション性を獲得しつつ、古き良きものを彷彿とさせてくれる。
 シャツは、大阪を本拠に活躍する武井一平による「ippei takei」。「男性のワードローブを女性に向けて開放すること」をコンセプトにしているだけあって、メンズながら女性でも着られるムードを持っている。
 要するに「chausser le coin」は、chausser(=前田洋一)によるセレクトショップの趣き。靴以外のアイテムが、ショセの靴の魅力を増幅している。

●所在地: 東京都渋谷区恵比寿南2-20-1 只木ビル1F TEL03-5734-1633



コードバンで知られる米・ホーウィン者のクロムエクセルを使用した定番モデルの新色