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Posted on 2013/5/24
−−継続出展でノウハウが蓄積、成約できる環境が整う
経済産業省は、ミラノで開催のミカムにジャパンブースを設置しているが、9月15〜18日に開催の2014年春夏物展に向けて、出展者公募を開始した。
ミカムは、イタリア靴メーカー協会が主催する国際靴見本市。毎年3月と9月に開催されるが、2013年9月の出展者数は1573社、来場者は4万1085人。この内、海外(イタリア以外)が、出展者600社、来場者2万584人。ヨーロッパでは間違いなく最大の靴見本市であり、年々海外比率が増加し、国際見本市としてパワーアップしている。
経済産業省が、ここにジャパンブースを設けたのは、2008年9月のこと。国の事業は、業界団体に委託するスタイルが多いが、ミカム・ジャパンブースは、同省が直接運営。また、この9月で6年目に入る長期事業だ。
出展者公募は、この17日にスタートしたが、公募数は、10事業者。ジャパンブースは、100㎡強だ。
実は、ジャパンブース出展者数は、設置当初は、16社だった。減少しているが、これは顔見せだけのような出展ではなく、商談・成約がしやすい環境づくりのために、1出展者当たりの面積をアップさせて結果だ。
この3月も、10社が出展したが、4社が成約。成約件数は合計5件だった。
ブース位置は「Hall7」。セグメントは「Women trendy shoes/mixed footwear」。昨年9月までは「Hall4」だった。オーガナイザーによるホール・セグメント変更の結果だが、ホール内での位置もメイン通路沿いに移動になった。これによって、来場者が探さなくてもブースを発見できるようになり、3月展のジャパンブース来場者は、質、量ともにレベルアップした。
「事業を継続して来たことによって、我々にもノウハウが蓄積しており、出展者が成果を上げやすくなっています。ジャパンブースの設置は、グローバルに、海外に市場を求めようとする革靴事業者の支援が目的。やる気のある事業者にどんどん手を上げていただき、日本の革靴を世界にPRしていただきたい」(経済産業省製造産業局紙業服飾品課、関口直人課長補佐)
ミカム・ジャパンブース出展者応募資格は、次の二つ
・メイド・イン・ジャパンを付す革靴及び革製履物
・日本で鞣された革を材料とした革靴及び革製履物(原産国は問わない)
事業規模に制約はなく、個人事業者でも、有識者他で構成する選定委員会の審査を通れば、出展可能だ。
経費については、出展料、ブース設営費は国が負担。ブース広告や案内状制作・発送も国の経費で行う。
応募締切は、5月31日。
詳細は、下記で。
160㎡のヒューマンなスペース、ディミトリ・ゴメーズのビスポークも健在
「クロケット&ジョーンズ」は説明の要なし。そのパリ・マドレーヌ店が、この3月、リニューアル・オープンした。マドレーヌ店は、世界で唯一ビスポークを手掛ける店としても知られているが、ディミトリ・ゴメーズ氏のビスポーク・アトリエも、新たな雰囲気に生まれ変わった。
クロケット&ジョーンズが、古切手&コインショップを改装し、マドレーヌ寺院のすぐ側に、パリで初めてのショップを開いたのは、1998年のこと。それがマドレーヌ店だが、当時の売場面積は40㎡。翌年、倍に拡張しビスポークのアトリエを構えたが、今回のリニューアルで1998年当時の4倍の160㎡になった。これは、ロンドンとニューヨークの旗艦店と同規模だ。
内装を手掛けたのは、フランスでもインテリア・センスが抜群と評価される新進建築家、エマニュエル=ピエール。ちょっと色褪せたユニオンジャツクの旅行カバンや飛行機の模型、エリザベス女王の肖像画がいたずらっぽく置いてあったり、19世紀のプライベート・コレクションから写真や絵画、書籍をセレクトしてさり気なく飾ってある。あたかもセレブリティの私邸サロンに招かれたような雰囲気に浸れる、アットホームな来客への心づかいが感じられる。ファンクショナルなショッブが多い中、エマニュエルがフレンチ・タッチの鬼才を発揮して、ウイットに富んだヒューマンなスペースを作ることに成功している。
ビスポーク・アトリエは、ドアで仕切られた店奥。そもそもフランス人のボチエ(靴職人)、ディミトリ・ゴメーズ氏との出会いによって考案された、マドレーヌ店独自のもの。
クロケット&ジョーンス社オペレーション・ディレクター、アンジェリック・カサン氏は「今後も、他のショップでビスポークをやるつもりはない」と語った。
オーダーからデリバリーまでのリードタイムは、約6ヶ月。固定客はヨーロッパ人が多いが、日本からわざわざ来店するクライアントも少なくないとのこと。
「日本人は、靴の品質を見極める目がある」と、ディミトリ氏は、日本人を高く評価する。
クライアントやプレスを招いて行われた新装パーティでは、創立者、チャールズ・ジョーンズの曽孫にあたるマネージング・ディレクター、ジョナサン・ジョーンズが、クレール夫人、セールスとマーケティングを担当する、娘のフィリパ さんと共に、多くの招待客をもてなした。
ジョナサン氏は、「日本の方は、当社の靴を本当に愛してくださいます」とコメント。「愛される理由は?」と尋ねると、「イギリスの工業都市、ノースサンプトンの当社工場で、丹精込めて作った完成度の高さ」と靴づくりの自信のほどをのぞかせた。
本国ロンドンもさることながら、このパリのショップは、以前にも増して目が離せない、靴マニア垂涎のスポットになりそうだ。
●所在地=14 Rue Chauveau-Lagarde, 75008 Paris TEL+33-144 940-174